悪露の排出促進
昨日うれしいお電話がありました。お電話をくださった患者さんは子宮復古不全で来院された方でした。
なかなか同様の症状で来院される方が少ないのでブログに書かせていただくことにしました。
来院の一か月半くらい前にご出産され(自然妊娠、自然分娩)、出産の一か月後の検診で悪露がまだ排出しきれていないとの診断を受けました。
約一か月後に再度診察を受けて悪露がその時点で出きってくれていなければ、掻爬術を受けることになり、掻爬術を避けたいと来院されました。
来院前に一度鮮血の塊が出たと言われていたので、もしかしたら排出できていたのかもしれませんが、できるだけのことをしておきたいとのことでした。
治療は、子宮の収縮を促進する治療を行いました。内膜症や子宮筋腫の方、陣痛促進で使う治療法を応用しています。
治療を行うことができたのは三回でしたが、治療の2~3日後に濃いめの赤黒い悪露が出たとのことでした。最終治療日には、普段の悪露はクリーム色でもう大丈夫かなあ、、とお話していました。
そして昨日、病院での診察で悪露はちゃんで出ているので掻爬手術はしなくてよくなったとお電話いただきました。
悪露は産褥期に子宮や膣から排出される分泌物です。出産3日後頃までは、胎盤が剥離したところからの血液が混じっているため赤色の悪露が出ます。産褥4~14日頃になると、血液が酸化して褐色の悪露になります。その後は白血球が中心となるため黄色に、そして徐々に量が減り白色になり、産褥4~6週間頃にはほとんど消失します。
この悪露がちゃんと出てくれないと感染症などの原因になってしまいます。またずっと赤色の悪露が続くときも出血があるということなので注意が必要です。子宮に残っているものがある場合は掻爬術を行いますが、子宮がちゃんと排出してくれることが一番です。掻爬術は内膜を削ぐことになるので、だいたいのお医者さんは自力で出すことをできる限り待ってくれます。待っても自力で排出出来ていないときは、残しておくと危険ですので、掻爬術を受けることになります。
今回手術を回避できたことは本当にうれしいです!どこまで治療が作用してくれていたか確かめるのは難しいのですが、少しでも助けになっていたならうれしいです。