広島生殖医療研究会へ参加してきました

今日は5時で診療を終了させていただき、広島生殖医療研究会へ参加してきました。

県立病院生殖医療科の頼先生より教えて頂いた研究会です。会場がリーガロイヤルホテルで、小心者の私はどきどきしながら会場に向かいました(笑)

講義内容は「in vitro 精子形成の進展」、講師は横浜市立大学生命医科学研究科 小川毅彦先生でした。

簡単に言うと、体の外で精子を形成するという研究です。

無限に精子を作り出している精子幹細胞を培養することできています。ここから先がものすごく難しいそうです。ここまでくるのも大変だったと思いますが、、

生まれたてのマウスの精巣を取り出して、そこに精子幹細胞を移植すると2ヶ月ほどでどうにか精子ができたそうです。

ただこれが大人のマウスになると格段に成功率がおちます。これが無精子症の男性の場合だときっともっと難しくなると思われます。

精子の形成に必ず必要なものがあるはずなのですが、それがはっきりわかっていないそうです。大まかにはわかっているものもありますが、その中でもどの成分が必要なのか、まだはっきりしていないようです。

面白いなと思ったのでが、精細管(精子が作られる場所です)一本だけで培養した場合は、精子は作れないとのことでした。まわりの細胞が何かしらの働きをしているということです。なのでIPS細胞から精子を形成するのは、、、とんでもなく難しいということですね。(IPS細胞から精子らしきものが形成できたとの論文が出たそうですが、まだ再現性が得られていないので信用性がまだないかも?とのことでした)

研究がすすめば、小児がんの患者さん(まだ精子が作られていない年齢)が癌の治療前に精巣の一部を取り出し、体外で培養し精子を作成、凍結しておくことが可能になります。その凍結した精子で妊娠可能なのかなど、色々と問題はあるとは思いますが、この研究で希望を持つことができる方もきっとたくさんおられるのではないかと思います。

今回の講義は、かなり難しい内容でしたが、とても楽しく、人の身体は本当によくできているのだなと改めて感じました。また今回の講義をきき、関係する論文が以前より読みやすくなりそうだと思いました。

しっかり復習したいと思います。

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