難聴の鍼灸治療

突発性難聴

突発性難聴とは、突然に発症する原因不明の難聴です。難聴の程度は個人差が大きく、発症時に眩暈を発症することもあり、症状の現れ方には個人差があります。治り方にも個人差はありますが、早期に治療を始めた方が改善が見込めます。病院の治療ではだいたい1か月が勝負と言われます。鍼治療での改善が見込める期間はもう少し長くなりますが、発症してできるだけ早くお越しいただく方が改善する可能性は高くなります。発症からかなり日にちがあいていても、鍼治療で改善されることもありますが、本当にごくわずかな方になります。

難聴以外の症状
  • 耳鳴り → ジー、ピー、ザーなど人によって聞こえる音の種類、大きさ、頻度、聞こえてこる場所、は様々です。
  • 響き  → 車の音などがグワーングワーンと残ったり、特定の人の声が響いて残るなどの症状です。
  • 音割れ → 車のクラクションなどがバリバリと割れたりと、大きな声が割れて聞こえるなどの症状です。
  • 補充現象 → 特定の音がすごく過敏に耳に入って不快な音に聞こえます。
  • 耳閉感 → 水の中にいるような、壁が一枚あるような、膜がはったような、つまったようなと表現される方が多いです。
  • 自声強調 → 話すたびに自分の声が頭の中で響きます。自分の呼吸も響いて聞こえることもあります。

上記に上げたような症状が一つだけある方もおられれば、すべてあるという方もおられます。聴力が改善されたがこれらの症状が残ってしまうことあります。そのような方でも、鍼治療で改善されることが多々ありますので、似た症状がおありの方はお問合せください。

メニエル病

誘因なく突然眩暈がおこり、眩暈発作時に難聴や耳鳴りを伴います。内耳リンパ水腫が見つかるとメニエル病と診断され、内耳リンパ水腫がなく、同様の症状がみられることをメニエル症候群といいます。きつい方は起き上がれないほどの眩暈をおこします。メニエル病の中には、前庭型メニエルと蝸牛型メニエルというものもあります。

前庭型メニエル

リンパ水腫が前庭に限局し、難聴や耳鳴りは伴わずめまいだけを繰り返すといわれています。

蝸牛型メニエル

リンパ水腫が蝸牛に限局し、めまいは伴わず難聴や耳鳴りだけを繰り返すといわれています。

両方とも症状が軽度な場合が多いですが、のちにメニエル病に移行し、症状がきつくなってしまうこともあります。蝸牛型メニエルと低音障害型感音性難聴が同じだという医師もいますし、鑑別が必要としている医師もいますが、差が議論されているようです。

蝸牛型メニエル、低音障害型感音性難聴と診断を受けた方を治療させて頂いたことがありますが、症状が比較的軽度だったこともあり改善されることが多いです。

耳管狭窄症、耳管開放症

耳管という鼓膜の内側の空気圧と外の大気圧を調節するところがあります。ここが狭窄してしまったり、開きっぱなしになると、様々な症状をおこします。つまった感じ、音が響く、自分の声が響く、軽度の難聴などです。

開放症では知名度が低いこともあり、なかなか診断がつかず、自分の声が響く(自声強調)等の症状が続くことで精神的な病気になってしまう方もおられます。狭窄症、開放症はもともと予後の良いもので、鍼治療でも改善がみられやすいですが、症状が長期にわたり続いている場合や器質的な障害があった場合は改善率が悪くなります。

音響性難聴

急性音響外傷

とても大きな音を聞いた直後に(風船が割れた音が原因となった方もいました)、耳に閉塞感や痛みを感じしばらく経ってから難聴や耳鳴に気づくものをといいます。音の大きさ、音源からの距離などにより難聴の重症度は様々です。難聴の重症度などにより改善率がかわってきます。

騒音性難聴

騒音の中に習慣的に長時間いることでおきる難聴を、といいます。工場で働いている方や音楽家の方に見られます。4000Hzに限局した難聴となる場合が多いですが症状が進行すると8000や2000Hzの聴力が低下し、徐々に他の周波数音域にも影響が出てきます。改善が難しいことが多いですが、4000Hz以外は聴力が改善した、耳鳴は改善したなど完全にではありませんが症状が改善されることもあります。

※主に難聴を主訴に来られた方の中で比較的多かった症状をあげました。難聴の場合は、聴力検査の結果を見て効果を判定しつつ治療をすすめていきます。
来院時には聴力検査の結果(病院でもらったもの、アプリでご自分で検査されたもの等)を持参頂きますようお願い致します。
当院で簡易的な聴力検査を行うことも可能です。

治療代

●5000円 ●学生:4000円 (初診料別途1500円)

難聴、その他随伴症状の症例報告

難聴や耳鳴り・耳閉感などの症状を主訴として来院された方のご紹介ページです→こちらへ

めまいの鍼灸治療

良性発作性頭位めまい症

耳が原因のめまい疾患で最もよくみられるものです。難聴や耳鳴り等の症状はなく、起き上がった時や頭を動かした時に回転性のめまい(周りが回って見えます)がおきます。前庭にある耳石器の上にあるはずの耳石が半規管に流れ込んでしまうことが原因ではないかといわれています。比較的予後の良い疾患であり、鍼治療により早期に改善されることが多い疾患です。

頸性めまい

くびが原因でおこるめまいです。頸の骨や筋、靭帯の異常や、椎骨動脈の異常、交感神経の異常など、せき髄液の関与を示唆する先生もおられます。頸をそらせたり傾けたりするとおこるめまいです。ふらふらする程度の方もいますが、景色が回ったり、ひどい人では起き上がれなくなる場合もあります。難聴や眩暈で来院される方では頸のこっている人がほとんどです。頸の凝りが原因の場合は、鍼灸治療によりかなり改善されます。

治療代

●5000円 ●学生:4000円 (初診料別途1500円)

めまいの症例報告

めまいを主訴として来院された方のご紹介ページです→こちらへ

※メニエル病に関しては「難聴」のところで触れていますのでここではそちらをご覧ください。

上記にあげたほかにも眩暈を起こすものはあります。特に注意しなければならないのは脳の障害による眩暈です。
頭痛、手足のマヒ、ろれつが回らない、声がかすれる、意識障害がある、等の症状がある場合は脳の障害が考えられるためすぐに病院へ行ってください。

 

以上、簡単に説明させていただきましたが、来院頂きましたら鍼灸の効果や病態についてもできる限り説明させて頂きますので疑問に思われることなどありましたお気軽にお尋ねください。