耳鳴（当院ご卒業の方のご紹介）

先月治療終了となった方の紹介です。
この方は約1年2ヶ月通院された方で、とても印象深い患者さんのお一人です。

来院の2ヶ月前～耳鳴りが常にするようになりました。耳鳴り発症の2日前にMRIを受けており、その直後にめまいがあったとのこと。そのMRIでラクナ梗塞が見つかり、特に問題ないものだとのことでしたが、このラクナ梗塞の診断ですごく不安になり、このことがきっかけで耳鳴りが発症したのではないかとのことでした。

耳鼻科にてDPOAE検査が不良だったため亜鉛の服用と、TRTなど様々な治療を受けられましたが、効果は見られませんでした。別の鍼灸院にも1か月ほど週3回通われましたが効果は見られず、他に思うところもあり当院へ来院されました。

耳鳴は両方で常にしており、人と話したりテレビを見ていると忘れている、音はシーという高い音で、寝る前に大きくなる、という状態でした。
耳鳴とは別に、7～8年前に右下の歯のインプラント治療を行ってから、右顔から右肩にかけて上に何かを貼られたようなツッパリ感があり、検査では問題がみつからず放置しているとのことでした。

最初の10回は週1～週2回くらいの間隔で来院されましたが、改善はみられませんでした。通常は10回ほど治療して効果が見られない場合は、当院での治療では改善できる可能性が低いと判断するのですが、ご本人よりここに来ると気持ちが落ち着くのでメンテナンスとして定期的に通院させてほしいとのお話があり、1週間～10日毎に来院されることになりました。治療も耳を重点にというよりは、自律神経の調節やできるだけリラックスすることをメインにするように変更しました。すると治療変更から7回目の治療くらいから耳鳴りが楽な日が増えていきました。治療間隔も2週間ごと、3週間ごとというように徐々にあけられるようになっていきました。それと同時に8年ほど変化がなかった右顔のつっぱりも徐々に軽くなり、ゼロにはならないもののかなりましな状態になりました。

そして1/31の治療時には、ほぼ耳鳴りを気にせず過ごせるようになっており、耳鳴りのせいで寝つきが悪くなることもなくすんなり眠れるようになっていました。ご本人より症状がほぼないことと、家庭の事情等もあり、一度治療終了したいとのお話もあり、ご卒業となりました。

治療変更がよかったのか、精神面の変化が良かったのか、わかりませんが、この日を迎えらえて本当にうれしかったです。
最初に改善ができなかった時は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、1年以上通院してくださり、最後の日に「ここに来ていなかったら治っていなかったと思う」と話してくださり、私の方が感謝でいっぱいになりました。

残念ながら来院くださった患者さん全員が同じように改善するわけではないですが、色んな可能性を与えてくれた症例になりました。

このまま連絡がなく、できればどこかで元気な患者さんとばったりとお会いできるのを祈っております(^^♪